連載第19回:山口 理栄さんの「子育てパートナーシップ」
子育てパートナーシップ
すこやかなるときも、やめるときも
子どもが生まれたばかりの夫婦に家事や育児の分担について聞くと、それぞれの夫婦で独特のやりかたがあり、想像を遥かに超えたバリエーションがあることに驚きます。
夫婦双方の思いも幅広く,例えばこんな夫婦に出会いました。
・夫が家事や育児を積極的に引き受けてくれることに感謝しつつも気兼ねしている妻
・育児に専念したいからと仕事を辞めた妻に対し、やりたいことをやってほしいのにと心配する夫
・夫がほとんどの家事をやっていて、ほかの家はそうでないと聞いて初めて夫に感謝する気持ちを持った妻
あまりにたくさんのケースがあるので、こうあるべき、というようなことはとても言えないのですが、常に忘れないでほしいのが、夫婦の間で仕事や生き方について考えていることを率直に話し合うことです。
今から約40年後の2050年、日本では約3人に1人が高齢者であるといわれています。
このコラムの読者は40年後には70代を迎えているころですね。今よりずっと高齢者が多く、若い世代の負担は重く、年金も十分ではないかもしれません。そのころまでに、夫婦にはそれぞれいろんなことが待ち受けているでしょう。
仕事を新しく始めたり、辞めたり。
海外に移住することになったり。
体や心の病気をしたり。
家族の介護を始めたり。
天災の被害を受けたり。
人生、思いもよらないことが起きるものです。
ただ、どんな時でも夫婦二人が率直に思いをぶつけあい、その結果ベクトルを合わせて互いの力を100%出せれば、子どもたちを守り育てることができるのではないでしょうか。思い込みで相手の気持ちをさぐるのはやめて、お互いの明日のことを本音で話し合ってみませんか。夫婦がその時々で協力し合う姿は子どもたちにもよい影響を及ぼすことでしょう。
すこやかなるときも、やめるときも。